緊急速報はありません

対馬アートファンタジアとは







趣  旨

今日、アートをめぐる環境は目覚ましい。1970年以降、世界の中心都市は才能や個性ある人たちを集め、アートによって都市の再生を図るとともに、新しい国の創造性を発芽させてきました。また昨今、直島など瀬戸内の島々で開催される 『瀬戸内国際芸術祭』 は全国の注目を集め、島の振興事業としてアートを介した文化交流モデルの可能性を証明しています。

元来アートとは、人類が追い求めたファンタジアを表していました。古来よりファンタジアの中心は宗教でしたが、近代以降その中心はアートに変わりつつあります。

本プロジェクトは、文化交流の十字路として歴史的地勢を有する対馬を舞台にして、アートを介した新しい東アジアの交流モデルの確立と実現を目的としています。



韓国展望台からの眺め (上対馬町)


文化交流の十字路 対馬という世界観

対馬は東に日本列島、北に朝鮮半島、そして西に中国大陸を望みます。その地勢は越境のアイデンティティを育みました。マージナルマンと呼ばれる境界人は、東アジア世界を舞台にして雄大に活躍したことから、古来から対馬を介して人や物が往来するとともに、多様な文化交流が促進されました。

諸外国との多様な交流の中でも、とりわけ 『朝鮮通信使』 や 『倭館』 の歴史は、今日の日韓交流の礎として注目されています。朝鮮通信使は日朝の文化交流を促進させ、倭館を通して互いの文化が混合しました。

近代以前の東アジア世界は、対馬という通交の十字路抜きに語ることはできず、今日のボーダーレスなグローバル時代において、対馬の担う役割を見直す時がきました。



藻小屋 (峰町木坂)


対馬アートファンタジア構想

本プロジェクトは、対馬を舞台にして展開された諸外国との文化交流を、現代アートを介してリバイバルしようというものです。ファンタジアは価値観の異なる人たちが、全ての固有性を越え出会う場所を意味します。韓国朝鮮の人たち、日本の人たち、またアジアの人たちが出会う場所であった対馬の地で催されるアートイベントは、今日的な東アジアのマージナルマンを育み、新しく多様な文化交流を促進させます。

言うまでもなくアートとは、"個人" の自発的創作行為です。『国家』 を超越し、世界と活発に交流する 『個人』。近代以前の対馬には、そのような "海人性" が存在しました。本プロジェクトは、その対馬という地勢のアイデンティティをもってこそ具現されるファンタジア構想です。