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対馬アートファンタジア2012 作品紹介



 

 

其の一 空き家の中から

 制作者   ワン・ドッキョン(韓国)
 展示会場  有明荘(厳原町)
 制作年   2012年

(作品解説)
 対馬滞在中に知った"カズラ(葛・蔓)"というツル性の植物で、他の樹木に寄生しながら生き抜く植物である。
 対馬厳原の原始林で採取してきたカズラを使用して構成させることで、日韓の両国間の歴史的な傷や心理的な葛藤関係の表現を試みた。
 この"心理的"なものは目に見えはしないが、人ごとに異なる境界地点があり、その境界地点を心理的な空間として視覚化させた。


 

其の弐 海スフィンクス

 制作者   伊東敏光(日本)
 展示会場  御前浜(峰町)
 制作年   2012年

(作品解説)
 海神神社の門前に開けた藻小屋とその周辺に立つと、自分が海と陸の境界に、そして自然の強い磁場の中に居ることを自覚できる。この場所にはきっとスフィンクスのように孤独な神獣がいて海を眺めつづけているような気がして、この作品を制作した。
 素材の石はかつて「石屋根」に用いられた板状の石(頁岩)と、対馬島内(木坂御前浜以外)の様々場所から集めた自然石を使用している。


 

其の参 タンシムチュル遊び2012

 制作者   ジョン・マンヨン(韓国)
 展示会場  半井桃水館(厳原町)、永留家旧宅(峰町木坂)
 制作年   2012年

(作品解説)
 タンシムチュル遊びは韓国で伝統的に継承されてきた遊び文化で、現代では互いの気持ちを一致させて相互理解を促進させる遊びとして楽しみ活用されています。対馬では、韓国と日本の両国の学生・教師・芸術家・市民たちが参加して、ひとつの芸術作品を創作するワークショップを通して、両国の理解と平和を願う試みである。


 

其の四 人工的反射

 制作者   オマル・ロサレス(メキシコ)
 展示会場  御前浜(峰町)
 制作年   2012年

(作品解説)
 この作品では、太陽の光から発せられる自然の光とメタリックの風船に反射する光の関係を作り出しています。太陽の光は、対馬の景色と作品の間に、コミュニケーションというかけ橋を作り上げながら風船に反射しています。そして、このコミュニケーションは、あるひとつの島における、自然を理解してその一部となるための、アーティストの必然性を示すひとつの記号として理解できるものです。


 

其の五 Lighthouse

 制作者   ソン・ソンジン(韓国)
 展示会場  有明荘(厳原町)
 制作年   2012年

(作品解説)
 対馬は古来より韓国と日本を繋ぐ様々な役割を果たしてきた。政治・経済・社会などの交流と、韓日との関係改善のために尽力してきたのは歴史がよく表している。また、対馬は日本であるが、釜山の風景や生活風習などに似ているところがあると、滞在期間を通して感じることができた。
 粗野だがなじみ良く感じる対馬は、韓日両国の文化と関係を繋いでくれる島であり、一種の灯台のような象徴性を有した場所であると感じた。この作品は、作家がアートファンタジアの滞在期間を通して感じとった対馬の意味を再解読して表現したものである。


 

其の六 Pasia(作品プラン)

 制作者   南雲由子(日本)
 展示会場  半井桃水館(厳原町)
 制作年   2012年

(作品解説)
 Pasiaは、日韓の「境界」である対馬で、海上に船を並べ、船で、日本の「はないちもんめ」と、よく似た韓国の遊び「ウリジベ・ウェーワニ」を行う、という壮大なプロジェクトです。モノゴトの「境界」は、実ははっきり細かい線ではなく、もやもやと幅がある。日韓でよく似ている子どもの遊びにヒントを得て、境界線をぼかすようなイベントをつくります。作家が対馬をはじめて訪れて、歩いて回った中から考えた作品のプランを、来年の<対馬アートファンタジア>で実現に向けこれから準備をします。今年度はそのアイデアスケッチ、作品プランを発表します。

南雲由子さんのブログはこちら http://blogs.yahoo.co.jp/pasia_tsushima


 

其の七 Sound photo - Tsushima

 制作者   ジョン・マンヨン(韓国)
 展示会場  有明荘(厳原町)
 制作年   2012年

(作品解説)
 対馬探索していたところ、波が化石になった風景に魅了され、写真を撮り、録音することになった。波が化石となった場所で録音した波音は、既に化石となった石の中から聞こえてくるような思いから、録音した音よりも波の化石に長い間取り込んだ音を写真だけで表現した。

対馬は音が美しい島です。
波の音が押し寄せてきますか?
滝の音は聞こえるでしょうか?


 

其の八 夜の温度(写真作品)

 制作者   ソン・ソンジン(韓国)
 展示会場  西山寺(厳原町)
 制作年   2012年

(作品解説)
 よく人々は自身が存在しなかった時代の物事を漠然と、または消極的に受け入れる傾向がある。対馬の古写真と釜山影島の過去の風景を材料として、古くなった白黒写真をあたかも現代にあるように演出した作品は、釜山と対馬の過去と現在の姿を一度に見せてくれ、実存する風景と記憶と経験によって重複させて、過去と現在を経験させてくれる。過去を媒介に現実の風景のように変形された写真は、過去と未来を繋いてくれる連結の輪であり、今後都市が進化して成長する姿に対する思考と反省を意図している。


 

其の九 対馬石猫

 制作者   伊東 敏光
 制作:2012年
 素材:石(頁岩等)

(作品解説)
 対馬の一の宮海神神社の檀家として、伝統と格式を守り続けてきた木坂の方々。その木坂地区の永留邸の庭先に石の動物を制作した。そして厳しい環境にあっても気ままで自由に行動する対馬の動物達の姿に愛おしさを感じ、作品の題名を「対馬石猫」とした。
 自然と人間が共に畏れ敬いながら暮らして来た木坂の里に、私の制作した石の動物がちょこんとお邪魔した。