○対馬市談合情報等対応マニュアル
平成21年3月31日
訓令第3号
対馬市談合情報等対応マニュアルの全部を次のように改正する。
第1 一般原則
1 談合情報等の確認、調書の作成
(1) 入札に付そうとする工事又は測量・設計・調査業務について、入札談合に関する情報又は入札談合に関連する事実(以下「談合情報等」という。)を掌握した者は、当該情報等の提供者に対して次に掲げる事項を可能な限り確認の上、直ちに入札を執行する課(以下「入札執行課」という。)及び財政課へ通報すること。
① 情報提供者の氏名・所属及び連絡先
② 対象工事名
③ 発注機関名
④ 落札予定者及び落札予定金額(率)
⑤ 発注者が公表していない情報
⑥ 談合が行われた日時、場所、方法
⑦ 談合に関与した具体的な業者又は人物名
⑧ 談合があったことを示す具体的な物証(メモ、録音又は録画テープ、ファックス送信表の有無)
(2) 談合情報等の提供者が報道機関である場合には、報道活動に支障のない範囲で談合情報等の出所を明らかにするよう要請すること。
2 報告
1により通報を受けた財政課は、談合情報等の内容を報告書にまとめ、速やかに公正入札調査委員会(以下「委員会」という。)を招集し、報告を行うこと。
なお、入札執行課において、入札事務の過程で自ら談合情報等を把握した場合も、当該談合情報等に基づき報告書をまとめ、財政課に報告を行うこと。
3 委員会の審議
委員会は、2により財政課から報告を受けた場合は、談合情報等の信憑性及び事情聴取の必要性について、また、事情聴取を行った場合は、談合の事実の有無等について、審議するものとする。
4 主務課への通報
委員会は、談合情報等を把握した場合、その対応について逐次担当課(以下「主務課」という。)へ通報すること。
5 公正取引委員会への通知
委員会の審議を踏まえ、事情聴取を行うことにした談合情報等については、財政課において、必要の都度公正取引委員会へ通知する。このうち、工事に関する入札で談合の事実があったと認められる証拠を得たもの及び談合の疑いが大きいと判断されるものについては、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127号)第10条に基づく通知を行うものとし、その他のものについては一般的な談合情報等として通知を行うものとする。(第3の3参照)
6 警察への通報等
事情聴取を行ったもので、談合の事実があったと認められる証拠を得たものについては、財政課が警察に通報する。
第2 具体的な対応
談合情報等があった場合には、原則として、次に従い対応すること。なお、詳細な手続等は、第3に従い行うこと。
1 入札執行前に談合情報等を把握した場合
入札執行課は、第1の3による当該情報等の信憑性の有無の審議結果にかかわらず、入札を実施するものとする。
入札の結果、談合情報等の落札予定者と落札候補者が一致する場合及び、入札結果等に不自然さがあると判断した場合(談合情報等と落札候補者が一致していない場合、又は談合情報等が寄せられていない場合に限る。)は、落札者決定を保留し、工事費内訳書を提出させ、審査を実施する。
また、工事費内訳書の審査結果をもとに、第1の3により、事情聴取の必要性について審議するものとする。
ただし、談合情報等での落札予定者と入札の結果による落札候補者が一致しておらず、かつ入札結果等に不自然さがなかった場合については、工事費内訳書の提出及び事情聴取を行わず、落札者を決定するものとする。
(1) 第1の3により、事情聴取の必要性がないものと判断される場合は、以後の対応は行わず、落札者を決定するものとする。
(2) 第1の3により、事情聴取の必要性があると判断された場合は、以下の手続によること。
① 主務課への通報
談合情報等があった旨を直ちに主務課へ通報すること。
② 事情聴取
談合情報があった旨又は、入札結果等に不自然さがあると判断した旨を入札参加者に明らかにした上、入札参加者全員に対して事情聴取を行う。
聴取結果については、事情聴取書を作成し、当該書面の写しを主務課へ送付すること。
③ 談合の事実があったと認められる証拠を得た場合の対応
委員会は、事情聴取の結果に基づく第1の3の審議結果等により、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には、当該入札を無効とし、原則として指名替え(一般競争入札の場合にあっては、当該入札参加者を排除する旨の用件を加えた上で再度公告)を行う。また、その旨を主務課へ通報すること。
④ 談合の事実があったと認められないが、極めて疑わしい場合の対応
委員会は、談合情報等での落札予定者と入札の結果による落札候補者が一致している場合で、アからウまでのいずれかに該当する場合は、当該入札を無効とし、原則として、指名競争入札の場合は、入札方法を一般競争入札へと変更する。一般競争入札にあっては、入札参加資格要件を再検討した上で再度公告を行う。また、その旨を主務課へ通報すること。
ア 談合情報等での落札予定金額(情報金額)が落札金額と一致、又はその金額の差が僅少の場合
※ 僅少とは、上記の金額の差が予定価格の±0.5%以内の場合とする。
イ 一般競争入札に係る談合情報にあっては、すべての入札参加者(特定建設工事共同企業体にあってはその組み合わせ)が入札結果と一致している場合(ただし、工種・工法・実績等により業者数が限られ、すべての入札参加者が類推できる場合を除く。)
ウ 入札結果に不自然さがある場合又は工事費内訳書に同一性があると認められる場合
注) 上記アからウのいずれかに該当し、極めて疑わしい場合においても、事情聴取を行い、談合の事実があったと認められる証拠が得られるように努めること。
⑤ 談合の事実があったと認められない場合の対応
ア 事情聴取の結果に基づく第1の3の審議結果等により、談合の事実があったと認められない場合には、すべての入札参加者から誓約書を提出させ、落札者を決定し、その者と契約を締結するものとする。また、誓約書の写しを主務課へ送付すること。
イ 入札終了後に、入札結果一覧表の写しを主務課へ送付すること。
⑥ 談合の事実があるとは認められないが、陳述の内容に疑義があると認められる場合の対応
事情聴取の結果、陳述の内容に疑義があると判断した場合には、第1の3の委員会の審議により、入札を無効とすることができるものとする。
入札を無効とした場合の再度の入札の際の入札方法については、原則として、指名競争入札の場合は、入札方法を一般競争入札へ変更する。一般競争入札にあっては、入札参加資格要件を再検討した上で再度公告を行う。また、その旨を主務課へ通報すること。
2 入札執行後に談合情報等を把握した場合
入札執行後に談合情報等を把握した場合には、入札後においては入札結果等を公表しており、落札者及び落札金額は既に閲覧に供されていることに留意しつつ、以下の手続によることが適切か否かを第1の3により判断すること。
(1) 契約(仮契約を含む。)締結以前の場合
① 第1の3により、談合情報等の信憑性について情報等が不明確であり事情聴取の必要性がないものと判断される場合は、特別な対応は行わない。
② 第1の3により、事情聴取の必要性があるとした場合は、以下の手続によること。
ア 主務課への通報
談合情報等があった旨を直ちに主務課へ通報し、併せて入札結果一覧表の写しを送付すること。
イ 事情聴取
契約締結前に、入札を行った者全員に対して速やかに事情聴取を行うこと。聴取結果については、事情聴取書を作成し、当該書面の写しを主務課へ送付すること。
ウ 工事費内訳書の審査
全ての入札参加者に対し、工事費内訳書の提出を要請し、提出後速やかに審査を行うものとする。
エ 談合の事実があったと認められる証拠を得た場合の対応
事情聴取及び工事費内訳書の審査の結果に基づく第1の3の審議結果等により、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には、対馬市契約規則(平成16年対馬市規則第108号)第11条第3号を適用し、入札を無効とし、原則として指名替え(一般競争入札の場合にあっては、当該入札参加資格要件を再検討した上で再度公告)を行う。また、その旨を主務課へ通報すること。
オ 談合の事実があったと認められない場合の対応
事情聴取及び工事費内訳書の審査の結果に基づく第1の3の審議結果等により、談合の事実があったと認められない場合には、入札参加者全員から誓約書を提出させた上、落札者と契約を締結すること。また、誓約書の写し及び入札結果一覧表の写しを主務課へ送付すること。
カ 談合の事実があるとは認められないが、陳述の内容に疑義があると認められる場合の対応
事情聴取の結果、陳述の内容に疑義があると判断した場合には、第1の3の委員会の審議により、入札を無効とすることができるものとする。また、入札を無効とした場合の再度の入札の際の入札方法については、原則として、指名競争入札の場合は、入札方法を一般競争入札へ変更する。一般競争入札にあっては、入札参加資格要件を再検討した上で再度公告を行う。また、その旨を主務課へ通報すること。
(2) 契約(仮契約を含む。)締結後の場合
① 第1の3により、談合情報等の信憑性について情報等が不明確であり事情聴取の必要性がないものと判断される場合は、特別な対応は行わない。
② 第1の3により、事情聴取の必要性があるとした場合は、以下の手続によること。
ア 主務課への通報
談合情報等があった旨を直ちに主務課へ通報し、併せて入札結果一覧表の写しを送付すること。
イ 事情聴取
入札参加者全員に対して速やかに事情聴取を行うこと。聴取結果については、事情聴取書を作成し、当該書面の写しを主務課へ送付すること。
ウ 工事費内訳書の審査
第2の2の(1)の②のウにより対応する。
エ 談合の事実があったと認められる証拠を得た場合の対応
事情聴取及び工事費内訳書の審査の結果に基づく第1の3の審議結果等により、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には、着工工事の進捗状況等を考慮して、契約を解除するか否かを判断すること。また、契約を解除した場合は、その旨を主務課へ通報すること。
オ 談合の事実があったと認められない場合の対応
事情聴取及び工事費内訳書の審査の結果に基づく第1の3の審議結果等により、談合の事実があったと認められない場合には、入札参加者全員から誓約書を提出させること。また、誓約書の写しを主務課へ送付すること。
第3 個別手続の手順等
第2に定める事情聴取等の手続においては、次に掲げる事項に留意して行うこと。
1 報告書
入札執行課及び財政課は、談合情報等を把握した場合には、その内容を様式第1号の報告書にまとめること。
2 主務課への通報等
(1) 主務課への通報等は、様式第2号を使用すること。
(2) 主務課へは、手続の各段階で事情聴取書、誓約書、入札調書の写し等を送付するものであるが、事情聴取から入札までの手続等を引き続いて行う場合には、これらを入札終了後にまとめて送付することができること。
3 公正取引委員会への通知
財政課に通報された談合情報等のうち事情聴取を行ったもので、談合の事実があったと認められる証拠を得たもの及び事実があったとは認められないが、極めて疑わしいと判断したものについては、様式第3―1号により、公正取引委員会に通知する。また、談合の事実があったと認められる証拠を得たものについては、警察へ通報する。
その他のものについては様式第3―2号により、公正取引委員会に通知する。
4 事情聴取の方法等
(1) 事情聴取は、委員会の委員長が指名する2人以上の職員により行うこと。
(2) 事情聴取は、あらかじめ別紙1を基本とした項目と当該談合情報により寄せられた独自の内容からなる項目を事情聴取項目とし、事情聴取項目及び聴取結果を公正取引委員会へ通知する旨を通知した上で、1社ずつ面談室等に呼び出し、談合情報等の内容に沿って具体的に聞き取りを行うこと。
(3) 事情聴取は、原則として代表者又は代表者に準ずる地位にある者及び工事費内訳書を作成した積算担当者を対象に行うこと。また、JVの場合は、代表構成員及び工事費内訳書を作成した積算担当者を対象とすること。
(4) 聴取結果については、様式第4―1号又は同第4―2号により事情聴取書を作成すること。
5 誓約書等の提出等
(1) 誓約書については、誓約書を公正取引委員会へ送付する旨を事情聴取の対象者に通知した上、様式第5号により代表者から提出させること。また、JVの場合は、代表構成員から提出させること。
(2) 「入札執行後談合の事実が明らかと認められた場合又は事実があったとは認められないが、極めて疑わしいと判断した場合には入札を無効とする旨」の注意を促す場合は、別紙2を参考として注意事項を読み上げること。
附則
この訓令は、平成21年4月1日から施行する。