○対馬市ネコ適正飼養条例
平成22年3月29日
条例第19号
(目的)
第1条 この条例は、動物愛護の精神に基づき、ネコの適正な飼養及び保管に関する事項を定めることにより、ネコの健康及び安全の保持を図るとともに、ネコが対馬市民(以下「市民」という。)に迷惑を及ぼし、又は絶滅のおそれのあるツシマヤマネコに害をあたえることを防止し、もって対馬市(以下「市」という。)の生活環境の保全及び生物多様性の確保に資することを目的とする。
(1) 飼い主 ネコを所有又は飼養する者(餌を与える行為を行う者を含む。)をいう。
(2) 飼いネコ 飼い主が所有し、又は飼養するネコをいう。
(市の責務)
第3条 市は、この条例の目的を達成するため、必要な施策を策定し、動物の愛護と適正な飼養について普及啓発等を行っている市民及び獣医師の団体その他の団体等と連携、協力してこれを実施するよう努めるものとする。
(市民の責務)
第4条 市民は、市が実施する施策に協力するように努めるものとする。
(飼い主の責務)
第5条 飼い主は、ネコの生態、習性及び生理を理解し、愛情をもって飼いネコに接するとともに、飼いネコをその終生にわたり飼養するように努めなければならない。
2 飼い主は、飼いネコを適正に飼養し、又は保管することにより、飼いネコの健康及び安全を保持するとともに、飼いネコが人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
3 飼い主は、人の身体及び財産並びに生態系に危害を加えないよう、人と動物の共生のみでなく、家庭動物と野生動物の共存にも配慮しつつ、飼いネコがツシマヤマネコ等の希少野生生物に危害を加えることのないように努めなければならない。
(飼い主の遵守事項)
第6条 飼い主は、飼いネコの飼養及び保管にあたって、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) えさ及び水を適正に与えること。
(2) 疾病の予防及び健康の保持に必要な検査、予防接種、治療その他の措置を講ずること。
(3) 公園、道路等公共の場所及び他人の土地、建物等を汚損させないこと。
(登録)
第7条 飼い主は、ネコを取得した日(生後90日以内のネコを取得した場合にあっては、生後90日を経過した日)又は市に転入をした日から30日以内に、飼いネコにマイクロチップ(規則で定める規格に適合したものに限る。以下同じ。)の埋込みを行い、獣医師が発行したマイクロチップの埋込みの事実及び識別番号に係る証明書を添えて、対馬市長(以下「市長」という。)に飼いネコの登録を申請しなければならない。
(登録料)
第9条 飼い主は、第7条第2項の登録の際に、飼いネコ1匹につき1,000円の登録料を納付しなければならない。ただし、市長が認めた場合には、登録料を減額し、又は免除することができる。
(登録の変更)
第10条 第7条の規定により登録を受けた飼いネコの飼い主は、当該飼いネコの所在地その他規則で定める事項を変更したときは、30日以内に、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
2 市長は、前項の届け出があったときは、当該飼いネコの登録を変更しなければならない。
(登録の抹消)
第11条 飼い主は、次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(1) 飼いネコを譲渡したとき。
(2) 飼いネコが死亡したとき。
(3) 転出届をしたとき。
2 市長は、前項の届け出があったときは、当該飼いネコの登録を抹消しなければならない。
(所有明示)
第12条 飼い主は、第7条第1項の規定によるマイクロチップの埋込みのほか、飼いネコが自己の所有に係るものであることを明らかにするために規則で定める措置を講じるように努めなければならない。
(屋内飼養)
第13条 飼い主は、飼いネコを屋内(飼いネコの飼養及び保管のために設置された施設内を含む。以下同じ。)において飼養し、又は保管するように努めなければならない。
(繁殖制限)
第14条 飼い主は、やむを得ず飼いネコを屋外で放し飼いにする場合には、不妊手術、去勢手術等の繁殖を制限する措置(以下「繁殖制限措置」という。)を講じなければならない。
2 飼い主は、飼いネコを屋内において飼養し、又は保管している場合であっても、飼いネコの繁殖により、適正な飼養又は保管を行うことが困難となるおそれがあると認めるときは、繁殖制限措置を講じるように努めなければならない。
(汚物の適正処理)
第15条 飼い主は、飼いネコのふん尿その他の汚物を適正に処理することにより、悪臭及びハエ、ノミ、ダニその他の衛生害虫の発生を防止しなければならない。
(飼養頭数の制限)
第16条 飼い主は、飼いネコ(生後90日以内のものを除く。)の数がおおむね5匹以内になるように努めなければならない。
(遺棄の禁止)
第17条 飼い主は、飼いネコを遺棄してはならない。
(飼養が継続困難となった場合の対処)
第18条 飼い主は、やむを得ず飼いネコを継続して飼養することができなくなった場合には、適正に飼養することのできる者にその飼いネコを譲渡するように努めなければならない。
(飼いネコ以外への給餌等の禁止)
第19条 市民及び市内に滞在し、又は市内を通過する者は、自ら飼養又は保管していないネコに対し、みだりにえさ又は水を与えてはならない。
(保護収容及び譲渡)
第20条 市長は、飼い主の判明しないネコを保護収容することができる。
2 市長は、前項の規定によりネコを保護収容したときは、規則で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
3 市長は、前項の公示期間の満了後も飼い主が判明しないときは、規則で定めるところにより、当該ネコを、その飼養を希望する者で、適正に飼養することができると認められる者に譲渡することができる。
2 第20条第1項の規定により保護収容されたネコの返還を求める者は、収容中の保管の費用及び返還に要する費用を負担しなければならない。
3 第20条第3項の規定によりネコの譲渡を受けようとする者は、その譲渡に要する費用を負担しなければならない。
(報告及び調査)
第23条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、飼い主その他の関係者に対し、飼いネコの飼養又は保管の状況等について報告を求めることができる。
2 市長は、この条例の目的を達成するために必要があると認めるときは、その職員に、飼いネコが飼養又は保管されている場所に立ち入り、その飼養又は保管の状況等を調査させ、又は飼い主その他の関係者に質問させることができる。
3 前項の規定による立入調査及び質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成22年7月1日から施行する。