○対馬市景観条例
平成30年12月21日
条例第32号
(目的)
第1条 この条例は、対馬市における景観の形成に関し必要な事項を定めるとともに、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づく手続等に関し必要な事項を定めることにより、自然、歴史、文化とともに育まれてきた美しい対馬の景観を市民の共有財産として後世に継承するとともに、対馬の魅力を活かした良好な景観形成に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において使用する用語は、特別の定めがある場合を除くほか、法において使用する用語の例による。
(1) 景観形成 良好な景観の保全、育成及び創出をいう。
(2) 市民 市内に居住する者又は市内の土地、建築物若しくは工作物に関する権利を有する者をいう。
(3) 事業者 市内において営利、非営利等の別にかかわらず事業及び活動を行う個人、法人又は団体をいう。
(4) 工作物 建築物以外の工作物のうち規則で定めるものをいう。
(市の責務)
第3条 市は、良好な景観形成に関する施策を総合的に策定し、これを計画的に実施するものとする。
2 市は、前項の施策の策定及び実施に当たって、市民、事業者等の意見を十分に反映させるよう努めるものとする。
3 市は、公共施設の整備を行うときは、良好な景観形成を図るとともに、そのために先導的な役割を果たすよう努めなければならない。
4 市は、景観形成に関して市民及び事業者の意識の高揚及び知識の普及を図るため、必要な情報の提供等に努めるものとする。
(市民及び事業者の責務)
第4条 市民及び事業者は、良好な景観形成を図る主体であり、重要な役割を担っていることを認識しなければならない。
2 市民及び事業者は、市が実施する良好な景観形成に関する施策に協力しなければならない。
3 市民及び事業者は、地域の特性及び景観資源に配慮するとともに、専門的な知識及び技術を活用し、積極的に良好な景観形成に寄与するよう努めなければならない。
(景観計画)
第5条 市は、良好な景観形成を総合的かつ計画的に推進するため、対馬市景観計画(以下「景観計画」という。)を定めるものとする。
2 市は、市の全域を法第8条第2項に規定する景観計画区域として定めるものとする。
3 市は、景観計画区域のうち、特徴的な景観を有し、特にきめ細やかな景観形成を推進する必要のある区域を重点景観計画区域として定めることができるとともに、当該区域ごとに良好な景観形成に関し必要な事項を定めるものとする。
4 市は、前項の重点景観計画区域以外の区域を一般景観計画区域とし、当該区域における良好な景観形成に関し必要な事項を定めるものとする。
5 市は、景観計画を変更しようとするときは、あらかじめ、第18条に規定する対馬市景観審議会の意見を聴かなければならない。なお、重点景観計画区域を変更し、又は廃止するときも、同様とする。
(景観計画への適合)
第6条 景観計画区域内において法第16条第1項各号に掲げる行為を行おうとする者は、当該行為を景観計画に適合させるよう努めなければならない。
(事前協議)
第7条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出を行おうとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、その内容について市長と協議しなければならない。
(届出対象行為等)
第8条 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、次に掲げるものとする。
(1) 土地の開墾その他の土地の形状の変更
(2) 木竹の伐採
(3) 屋外における物件の堆積
(4) 公有水面の埋立て
(5) 夜間において公衆の観覧に供するため、30日以上継続して建築物又は工作物の外観について行う照明(以下「特定照明」という。)の新設、増設、改設若しくは移設又は色彩等の照明方法の変更
2 法第16条第1項及び第2項の規定による届出に関し必要な事項は、規則で定める。
(届出を要しない行為)
第9条 一般景観計画区域において、法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 別表に掲げる行為のいずれにも該当しないもの
(2) 他の法令に基づく許可、認可又は届出を要する行為であって規則で定めるもの
2 重点景観計画区域において、法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げるものとする。
(1) 地盤面下又は水面下における行為
(2) 仮設の建築物の建築及び工作物の建設等
(3) 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為
(4) 通常の管理行為又は軽易な行為
(5) 他の法令に基づく許可、認可又は届出を要する行為であって規則で定めるもの
(6) 非常災害のために必要な応急措置として行う行為
(7) 国の機関又は地方公共団体が行う行為
(8) 他の法令に基づき規定される許可、認可等を受けた行為又はその規定により行う行為
(特定届出対象行為)
第10条 法第17条第1項の条例で定めるものは、法第16条第1項第1号又は第2号に掲げる行為(前条に掲げるものを除く。)とする。
(助言又は指導)
第11条 市長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、景観形成上必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な助言又は指導をすることができる。
(公表)
第13条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくこれに従わないときは、規則で定めるところにより当該勧告を受けた者の氏名等を公表することができる。
(景観重要建造物の指定等)
第14条 市長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物を指定しようとするときは、同条第2項に定めるもののほか、あらかじめ、第18条に規定する対馬市景観審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、景観重要建造物を指定したときは、その旨を告示するものとする。
3 前2項の規定は、法第27条第1項又は第2項の規定による景観重要建造物の指定の解除について準用する。
(景観重要建造物の管理基準)
第15条 法第25条第2項に規定する景観重要建造物の管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 景観重要建造物の修繕は、原則として当該修繕前の外観を変更しないこと。
(2) 消火器の設置その他景観重要建造物に係る防災上の措置を講ずること。
(3) 景観重要建造物の滅失又は毀損を防ぐため、その敷地、構造及び設備の状況を定期的に点検すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のために市長が必要と認める措置を講ずること。
(景観重要樹木の指定等)
第16条 市長は、法第28条第1項の規定により景観重要樹木を指定しようとするときは、同条第2項に定めるもののほか、あらかじめ、第18条に規定する対馬市景観審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、景観重要樹木を指定したときは、その旨を告示するものとする。
3 前2項の規定は、法第35条第1項又は第2項の規定による景観重要樹木の指定の解除について準用する。
(景観重要樹木の管理基準)
第17条 法第33条第2項に規定する景観重要樹木の管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、剪定その他必要な管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木の滅失、枯死等を防ぐため、病害虫の駆除その他必要な措置を講ずること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のために市長が必要と認める措置を講ずること。
(景観審議会の設置)
第18条 市の景観形成に関する事項について調査及び審議を行うため、対馬市景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査及び審議する。
(1) 景観計画の変更に関すること。
(2) 景観重要建造物及び景観重要樹木の指定等に関すること。
(3) 景観計画に定めた基準の運用に関すること。
(4) 前各号に掲げるもののほか、景観形成に関し必要な事項
3 審議会は、前項各号に掲げる事項に関するもののほか、良好な景観形成に関し、市長に意見を述べることができる。
(組織等)
第19条 審議会は、委員18人以内をもって組織する。
2 委員は、学識経験のある者その他市長が適当と認める者のうちから、市長が委嘱する。
3 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(委任)
第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成31年4月1日から施行する。
別表(第9条関係)
区域等 | 行為 | 規模 | |
景観計画区域(重点景観計画区域を除く。) | 建築物の建築等 | 高さが13メートル以上の建築物又は延べ面積が500平方メートル以上の建築物 | |
工作物の建設等 | 塔状工作物類・遊戯施設類 | 高さが13メートル以上のもの(ただし、電柱を除く。) | |
製造施設・貯蔵施設・処理施設・自動車車庫等 | 高さが13メートル以上のもの又は築造面積500平方メートル以上のもの | ||
垣・柵・塀類 | 高さが3メートル以上のもの | ||
農業用施設等 | 高さが3メートル以上のもの又は設置面積100平方メートル以上のハウス構造のもの(ただし、施設園芸用ハウスを除く。) | ||
橋梁・歩道橋・高架道路類 | 延長20メートル以上のもの | ||
太陽光発電パネル等 | パネル面の面積が100平方メートル以上のもの | ||
開発行為 | 面積が10,000平方メートル(都市計画区域内は3,000平方メートル)以上の都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為その他政令で定める行為 | ||
土地の開墾及びその他の土地の形状の変更 | 面積が10,000平方メートル(都市計画区域内は3,000平方メートル)以上のもの | ||
木竹の伐採 | 伐採面積が1,000平方メートル以上のもの | ||
屋外における物件の堆積 | 堆積を行う土地面積の合計が堆積規模1,000平方メートル以上又は堆積の高さ4メートル以上のもの | ||
公有水面の埋立て | 規模にかかわらず全ての埋立て | ||
特定照明 | 届出が必要な建築物及び工作物について、夜間において公衆の観覧に供するため、30日以上継続して建築物その他の工作物又は物件の外観について行う特定照明の新設、増設、改設若しくは移設又は色彩等の照明方法の変更 |