○対馬市危険物流出等の事故調査規程
平成26年9月1日
訓令第19号
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第16条の3の2の規定に基づき、製造所、貯蔵所又は取扱所(以下「危険物施設」という。)で発生した危険物の流出その他の事故であって火災が発生するおそれのあったもの(以下「危険物流出等の事故」という。)の原因調査(以下「調査」という。)について、必要な事項を定めるものとする。
(調査の目的)
第2条 調査は、危険物流出等の事故の原因を明らかにして、類似事故再発防止対策及び火災予防の充実を図ることを目的とする。
(1) 危険物流出等の事故 法第16条の3の2第1項に規定する事故をいう。
(2) 事故調査 法第16条の3の2第1項の規定により行う調査をいう。
(3) 調査員 危険物規制事務に従事する職員及び危険物流出等の事故の原因の調査を命ぜられた消防職員をいう。
(4) 関係のある場所 危険物施設以外の施設で起こった事故において、危険物流出等の事故の原因となった場所及び危険物が危険物施設外に流出した場所をいう。
(5) 関係者 事故に直接関与した者、危険物施設の関係者、事故の目撃者その他の危険物流出等の事故に関係する者をいう。
(調査の責任)
第4条 危険物流出等の事故が発生した管轄区域内の調査責任者は消防長とする。
2 調査の担当は、消防本部(以下「本部」という。)予防課長とし、危険物流出等の事故を覚知したときは、直ちに調査に着手しなければならない。
3 調査は当該危険物流出等事故の規模及び様相等によって、消防長が指名する職員(以下「調査員」という。)により行わせるものとする。
4 調査員には主として当該危険物流出等の事故地を管轄する署所の職員を充てるものとするが、必要に応じ消防長は本部から調査員を出向させることができる。
(調査の基本)
第5条 調査は、危険物流出等の事故となった原因を調査するほか、発生に至った経緯、発生前、発生時の作業の状況、事故の模様、関係者の講じた措置、被害状況等を明らかにするものとする。
2 調査に当たっては、常に事実の究明を主眼とし、先入観にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断によって事実の立証に努めなければならない。
3 調査は、物的調査と人的調査を相関的に併せて行わなければならない。
(調査員の心得)
第6条 調査員は、調査に必要な知識及び技術の修得に努めるとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 調査員相互に連絡協調して原因の探究を行うこと。
(2) 警察機関その他の機関と緊密な連携を保持して調査に当たること。
(3) 適正公平を旨とし、強制的手段を避け、穏健妥当な方法により、関係者の協力を得るように留意すること。
(4) 調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らさないこと。
(5) 調査に際し関係者の民事的紛争に関与しないこと。
(6) 調査の経過その他参考となるべき事項を記録し、これを保存すること。
(調査の区分)
第7条 調査は、危険物流出等の事故の規模を次の各号に区分して実施するものとする。
(2) 詳細事故調査 次に定める危険物流出等の事故の調査
ア 危険物施設(製造所及び一般取扱所を除く。)から危険物が10キロリットル以上流出した事故
イ 製造所又は一般取扱所から危険物が指定数量の10倍以上流出した事故
ウ 地下に埋設されたタンク又は配管から危険物が指定数量以上流出し、又は敷地外に流出した事故
エ 危険物の流出に起因し、死者が発生した事故
オ 容量500キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所の基礎、地盤又はタンク本体(屋根、浮き屋根又はインターフロートタンクの浮き蓋を含む。)が破損し、変形し、沈下し、又は傾斜するなどの異常な状態となった事故
カ その他、消防長が類似事故の防止又は予防対策の必要性等の観点から、詳細な事故原因調査を行うことが必要と認めた事故
(3) 消防庁長官調査 危険物流出等の事故の調査マニュアルについて(平成20年消防危第317号消防庁危険物保安室長通知。以下「事故調査マニュアル」という。)に規定する消防庁長官調査を行うことが望ましい事故の調査
(事故調査マニュアルの活用)
第8条 調査を行うに当たっては、事故調査マニュアルを活用するものとする。
(調査における処理)
第9条 調査を実施した結果については、消防長は市長に報告するとともに必要に応じて消防庁への報告を行い、併せて関係法令に基づく報告を実施するものとする。
(消防庁長官調査の要請)
第10条 市長が消防庁長官調査を要請する場合には、事故調査マニュアルの連携要領により関係機関との調整を行い、調査体制を速やかに構築しなければならない。
(関係機関への通報)
第11条 消防長は、危険物流出等の事故について犯罪の疑いがあると認めたときは、直ちにこれを通報書(様式第1号)により危険物流出等の事故の発生地を管轄する警察署長に通報しなければならない。ただし、書面によることを要しないと認めたときは、この限りでない。
2 海上や河川への危険物流出等の事故があった場合は、当該海域を管轄する海上保安本部の事務所の長に通報しなければならない。
3 その他、市防災担当及び環境担当等、必要と思われる機関へ通報する。
(立入検査)
第12条 調査員は、その職務を行うに当たり、危険物流出等の事故の現場及び関係のある場所に立ち入って、その状況を検査しなければならない。
2 前項の規定による立入検査に際しては、法第4条第1項ただし書及び第2項から第4項までの規定を守らなければならない。
3 調査員は、第1項の規定による立入検査に際し、関係者の承諾及び立会いを得て行うものとする。
(立入検査証の携帯)
第13条 調査員は、調査に際し、関係のある場所に立ち入る場合においては、対馬市消防職員の立入検査証に関する規則(平成16年対馬市規則第134号)の規定に基づく立入検査証を携帯し、関係者に提示しなければならない。
(調査報告書)
第14条 調査員は、事故の概要及び被害状況等を調査し、危険物流出等の事故調査報告書(様式第2号)を作成しなければならない。
(実況見分)
第15条 調査員は、危険物流出等の事故の現場及び関係のある場所について実況見分を行い、調査資料の発見入手に努めなければならない。
2 実況見分は、調査員が中心となり、その指揮のもとに協力して組織的に行わなければならない。
4 写真貼付台紙は対馬市消防本部火災調査規程(平成16年対馬市消防本部訓令第17号)第43条に規定する様式を準用する。
(質問)
第16条 調査員は、原因の究明又は損害の把握のため必要があると認める場合は、場所及び時期を考慮し、関係者に質問を行い、その事実の確認に努めなければならない。
(資料提出)
第17条 調査員は、調査に関し必要な物件その他の資料について、関係者から提出を求めるものとする。
2 資料の提出又は報告があったときは、危険物流出等の事故に関する資料提出報告書に受領した旨を記入し、1部を提出者に返付するとともに、所有権を放棄しない資料の提出者に対しては、提出資料保管書(様式第8号)を交付するものとする。
3 前項の提出資料保管書を交付した資料は、紛失、き損等をしないように保管するとともに、保管の必要がなくなったときは、提出者に当該資料を還付するものとする。この場合においては、提出資料保管書に還付を受け受領した旨を記入させるものとする。
(危険物流出等の事故原因判定書)
第20条 調査員は、危険物流出等の事故の原因を判定したときは、危険物流出等の事故原因判定書(様式第9号)を作成しなければならない。
(危険物流出等の事故調査報告の期間)
第21条 危険物流出等の事故調査報告の期間は、対馬市消防本部火災調査規程(平成16年対馬市消防本部訓令第17号)第38条の規定を準用する。
(調査書類の管理)
第22条 この訓令の規定により作成した調査書類は、消防本部予防課において適正に管理しなければならない。
(調査書類)
第23条 調査員は、調査を終了したときは、次に掲げる書類のうち該当する書類を作成し整理編さんするものとする。
(1) 危険物流出等の事故調査報告書
(2) 危険物流出等の事故実況見分調書
(3) 危険物流出等の事故質問調書
(4) 危険物流出等の事故に関する資料提出命令書
(5) 危険物流出等の事故に関する報告徴収書
(6) 危険物流出等の事故に関する資料提出報告書
(7) 提出資料保管書
(8) 危険物流出等の事故原因判定書
(9) その他必要な書類
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成26年9月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の日の前日までになされた手続その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされたものとみなす。
附則(令和2年3月31日訓令第7号)
この訓令は、公布の日から施行する。