平成29年 新年のご挨拶

更新日:2021年04月01日

  新年あけましておめでとうございます。
  皆様におかれましては、穏やかな笑顔溢れる新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。また、日頃から市政に対し深いご理解とご支援、ご協力を賜り心より厚く御礼申し上げます。
  さて、皆様からの力強いご支援をいただき対馬市長に就任して間もなく10ヶ月になろうとしております。就任後は、財部前市長から受け継いだバトンを「守破離」の精神のもと、守るべきものは堅持し、変えるべきものは変化させ、懸命に市政運営を行ってまいりました。

 その中でも、公約として掲げました「ふるさと納税の返礼品の導入」につきましては、7月に行った機構改革において担当部局を設置し、11月1日から運用を開始いたしました。インターネットサイト「ふるさとチョイス」や、市民の皆様のご協力を得て、島外に広く周知しているところでございます。
 その成果もあり、開始40日あまりの期間で、約930件、総額1,760万円を超えるお申し込みをいただきました。このうち、返礼品開始に伴う第1番目の納税者となられた長崎市在住の御手洗典子さん(峰町三根出身)を訪問し、返礼品の贈呈を行ってまいりました。御手洗さんからは「対馬に住んでいた時に食べた味が忘れられなかったので、開始日早々に申し込みました」との声をいただきました。
 この返礼品制度は、返礼品をお送りすることにより「対馬を知ってもらい好きになってもらうこと」「対馬を懐かしんでいただくこと」により、結果として、地域産業の活性化に繋がるものと考えております。
 私も引き続き広くPRを行ってまいりますので、市民の皆様におかれましても、ご親戚・知人・友人の方々へご紹介して頂き、ご活用くださいますよう、この場をお借りしてお願いいたします。

 さて、昨年の対馬を振り返ってみますと、何といっても悲願であった「有人国境離島法の成立」というビッグニュースを欠かすことはできません。新法成立に向け、議会と行政が一体となって、県下関係市町と共に連携しながら粘り強い活動を重ねてまいりました。その活動が実り、昨年4月20日、参議院において可決成立し、本年4月1日から施行される運びとなりました。
 成立にあたりましては、特に長崎3区選出の谷川弥一代議士には先頭に立って国会の最前線にて各党議員各位への説明や調整など、長年にわたりご尽力いただきました。この場をお借りして、これまでのご尽力に対し、改めて感謝申し上げます。
 有人国境離島法には航空運賃及び航路運賃の低廉化のほか、生活や事業活動に必要な物資輸送費用の負担軽減や雇用機会の拡充策及び国境監視に要する漁船操業費用の負担軽減などのソフト事業が盛り込まれております。これにより今後10年間の地域振興の後ろ盾を得ましたので、この千載一遇の機会に産・学・官・金等関係団体とも連携し、地域社会の維持・発展のため、オール対馬の体制で本市ならではの施策提案に向け、知恵を絞ってまいります。

 また、平成26年度から2カ年間をかけて市民の思いや地域の課題を共有し、その解決に向けた施策をオール対馬で協働し、創造していくための第2次対馬市総合計画を策定し、「みんなで目指そう!自立と循環の宝の島 対馬」を合言葉に、平成28年度からスタートさせました。
 「若者でにぎわう希望の島:ひとづくり」「地域経済が潤い続ける島:なりわいづくり」「支えあいで自立した島:つながりづくり」「自然と暮らしが共存した島:ふるさとづくり」の4つの目指すべき対馬の将来像実現に向けて、市議会との連携、市民皆様との協働のもと、市民主体のまちづくりをさらに進めてまいります。

 加えて、朝鮮通信使関係資料のユネスコ記憶遺産への登録も大詰めを迎えます。昨年3月には日韓の民間団体であるNPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会と財団法人釜山文化財団がユネスコ本部に共同申請書を提出し、11月には私も両団体とともにフランス:パリのユネスコ本部を訪問し、審査や登録のスケジュールについて意見交換を行うとともに、講演会・資料展示を行い、朝鮮通信使の果たした歴史的な役割の重要性・普遍性をPRしてまいりました。ユネスコ本部からは「大変良いプログラムだ」との評価をいただいたところです。
 私たちの先人が幾重にもわたる苦難の上に咲かせた日韓両国友好の証「朝鮮通信使」は、まさしく市民劇団:漁火が演じるミュージカル:対馬物語の一説にある「島は島なりに」生きていかねばならない対馬の在り方を指し示しています。
 本年秋にも登録が期待されるところでございますので、「対馬が果たしてきた歴史的意義」を広くPRするとともに、対馬に足を運んでいただいた皆様に満足いただくための「おもてなし」を市民の皆様と共に高めていきたいと考えます。

 「おもてなしを高めること」は「交流人口拡大に直結」し、「市民経済に結実する」と考えます。ここにきて、うっすらと光が差してきた高速船ビートルへの国内客混乗、そして大手チェーンホテルグループ東横インの開業と、対馬に追い風が吹き始めました。今、まさに大きく帆を広げ、しっかり風をつかんで対馬を前進させていきたいと考えております。

 「今」を生きる私たちの使命は、「先人が守り・育て・慈しんできたこの島を、未来に繋ぐこと」です。対馬の未来を決定づけるであろう重要なこの時期に、対馬(しま)づくりの船頭役を仰せつかった責任を意気に感じて、ふるさと対馬を将来の世代にしっかりと自信を持って引き渡せるよう、市政の創造と革新に果敢に挑戦してまいります。
 市民の皆様方におかれましては、引き続き深いご理解と力強いご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 結びに、皆様方にとりましても、対馬にとりましても幸多からん素晴らしい一年となりますよう祈念申し上げ、新年の言葉といたします。

 平成29年 1月 1日
 対馬市長 比田勝 尚喜

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