特定放射性(高レベル放射性)廃棄物問題に関する市長コメント
特定放射性廃棄物問題について、特定放射性廃棄物最終処分場の文献調査を受け入れないとの判断に至りました。
この判断に至った理由と致しましては、主に次の5点ございます。
1点目に、市民の合意形成が不十分であると判断したこと。
文献調査等の受け入れの是非について、それぞれの主張による市民の分断がおこっていることは、まだ、市民の合意形成が十分でないと判断しております。
2点目に、風評被害への懸念があること。
先行自治体では風評被害が発生していないと聞いておりますが、関係者や市役所に寄せられる意見等を総合的に勘案すると、観光業、水産業などへの風評被害が少なからず発生すると考えられると判断致しました。
3点目に、文献調査だけという考えには至らなかったこと。
調査結果によって、適地と判断された場合、概要調査に進む訳ですが、自治体の長として文献調査を受け入れた以上、次の段階に進まないという考えには至らなかったということであります。
4点目に、市民に理解を求めるまでの計画、条件が揃っていなかったこと。
超長期的な事業ということで、国などの見解も理解できますが、安全性や事故等が発生した場合の対応、避難計画など、将来の対馬を案じている市民の不安を払拭するまでの計画内容等ではなかったと思っております。
5点目に、将来的な想定外の要因による安全性、危険性が排除できなかったこと。
人工バリア(ガラス固化体等)と天然バリア(特徴がある地層;適した地層)を組み合わせることで人体への影響を防止すると聞いておりますが、天然バリアについては地震等での想定外の要因による放射能流出等の想定も排除できず、将来的に市民等に影響、危険性がある特定放射性廃棄物最終処分施設の調査候補地として手を挙げることの判断には至らなかったということであります。
以上、5つの要因から特定放射性廃棄物最終処分場に係る文献調査等を受け入れないとの判断に至っております。
この市長としての見解、判断については、市民の合意形成、市民そして対馬市の将来に向けた安心、安全な事業であるかを重点的に熟慮した結果であり、市民、関係者皆様のご理解をお願いします。
令和5年9月27日
対馬市長 比田勝 尚喜
更新日:2023年10月05日