「対馬の盆踊」について
令和3年3月11日指定 重要無形民俗文化財
対馬の盆踊は、先祖の霊を慰めるために各集落で披露されてきた風流踊です。その起源は古く、室町時代の念仏踊にまで遡ると言われています。華やかな衣装や装飾、小道具・楽器などを使い、趣向を凝らした風流踊は、昔は各集落の旧家の長男を中心に踊られていました。円陣を作って踊る一般的な盆踊とは異なり、二列縦隊を基本隊形としているところに特徴があります。
踊りは6人から12人ほどで行い、その周囲で太鼓や歌い手が演奏します。集落によって様々な伝承曲がありますが、中でも「祝言」には独特な旋律の歌に手振りや足使い、扇使い、低い腰の姿勢など特徴的な所作を有します。他にも綾竹・なぎなた・杖などの意匠を凝らした道具を使う「採り物踊」や、物語を演じる「仕組踊」など、成立時期が異なるとみられる多様な踊りが含まれます。
また、盆踊の場には笹竹を色鮮やかに装飾した"エヅリ”があげられます。エヅリには先祖の霊が宿ると考えられ、踊り場への行列の際には踊り子たちによって先頭に掲げられるほか、盆踊終了後には川へ流したり所定の場所に納められたりします。
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更新日:2022年11月02日