Vol.2 齊藤 加代子さん(2/2)
対馬で両立する、子育てと仕事。
ーーご主人はIターンで、お仕事もIT系企業から消防への転職とのこと。対馬での暮らしはどんな感じですか?
はい。主人が31歳のときに、対馬で暮らそう!っていって連れてきちゃいました。前職はIT系で、今は消防署勤務なんですけど、若い頃は陸上の短距離で日本選手権とかに出てたり、オリンピック目指してた時期もあった人なので、走るのとか体動かすのが好きな分、いまは天職みたいです。笑。
消防署の仕事は、厳原に出勤するときは必ず夜勤があって、一泊してもどってくるペース。あとは出勤ではない日でも、家の近くで待機しないといけない時もあるので、やや変則的ですね。
でも、仕事以外でも、対馬で陸上チームつくったりして楽しそうにやってますよ。
会社勤めのときは、夜中までパソコン触ってるような生活だったので、ストレスなんかも結構あったみたいで。東京で暮らしてるときは、けっこう体調崩す時期もあったんですが、対馬に来てからは、すっかり健康に暮らしてます。
こっちで暮らしてみてわかったのは、主人の方が田舎が好きですね。笑
ーー対馬での子育ては、どうですか?
対馬で子育てをすることにして感じるのは、もちろん母がいることもありますが、自然のなかでも思いっきり遊べるし、のびのびと育てやすいですね。東京でも保育園の見学とか行ってたんですけど、育児は大変そうだな。っていうのは当時でも感じましたね。復職考えると結構大変そうだなぁ、って思ってました。
うちは、いまは二人とも保育所に預けていて、長男は仁位の保育所、次男は水崎の保育所という感じで、別々の保育所に預けてます。保活というほど大変ではなかったけど、仁位は近いですが、へき地保育所といって3歳からしか預けられなくて。
上の子は3歳まで母と一緒にみてから預け始めたので仁位に通ってますが、下の子は1歳11ヶ月のときから預け始めたので、0歳から預けられる水崎ということに。別々の園になっちゃいました。
ーー対馬での開業は、東京にいる時から計画とかしてたんですか?
いや、全然。東京で働いている時から、この仕事はずっと大好きだったんですけど、子供が生まれてみたら可愛すぎて(笑)。これは育児と仕事の両立は無理だぞ。ということで、仕事辞めて育児に専念することにしたんです。なので、実は対馬に戻った時は美容師やるつもりなくて。道具とかも処分してきたんですよ。
でも、いざやってみると「”育児だけ”っていうのは、私に向いてないかも」と気づいたこともあって。
ちょうどその頃に、ママ友をプライベートで切ってあげたのがきっかけで、開業を後押ししてくれる声もあったので、保健所に届けて開業することにしました。
HACHIとしては、今度の6月で3周年です。今は仕事があることで、育児とのバランスがとれたり、いい気分転換になってるところはありますね。
ーーお仕事の中で大事にしていることがあれば教えてください
美容室に来るときの「プライベートな時間」は大事にしてあげたいと思ってます。
対馬で暮らしていると、スーパーでも病院でも、車運転してるだけでも、必ずと言っていいほど知っている人と会うじゃないですか。良くも悪くも近しい人間関係というか、みんな気にかけてくれるような関係性なので。私は子供の頃はこの環境だったし、もう馴染んでますけど、東京から久しぶりに戻ったときには少し窮屈さみたいなものを感じることもありましたし。
なので、島の暮らしの中にも、自分だけのプライベートな時間はちゃんとあっていいと思うし、そういう解き放ってもらえる場所があるのは大事なことだなって。
この場所は、街中からちょっと離れているので車が停まってるのが誰かの目に触れることもないから、美容室いたね。ってならないですし。髪を切るときは、自分らしくリラックスしたり気分転換ができる時間だと思ってみんなに楽しんでもらえたらいいな。と思ってます。
(おわり)
更新日:2021年04月01日