Vol.10 松尾俊通・光子ご夫妻

松尾俊通さん・光子さん
福岡県出身
豊玉町在住
プロフィール
福岡県飯塚市→対馬へIターン
海のある生活に憧れて

ーー対馬へ移住したきっかけを教えてください
移住前は福岡県飯塚市で暮らしてきました。飯塚市は海がない場所なので、海が近くにある生活に憧れていて、仕事が定年を迎えるタイミングで海が近い場所への移住を検討し、福岡県宗像市などへ移住の下見に行っていました。
友人に対馬在住の漁師がいたので対馬に3~4回ほど旅行しました。その時に、魚は美味しく、海や山が近く自然たっぷり、史跡がたくさんで感動し、対馬への移住を決意しました。
ーー対馬に移住してみてどうですか?
移住当初はまだ韓国人旅行客が多い頃で、考えていたよりも人が多くてびっくりしましたが、最近は人が減って自分たちが思い描いていた対馬の原風景が広がっているように感じています。
私たちが住んでいる集落は12世帯の小さな集落です。真珠養殖が盛んな場所で勤め人が多いので、集落行事が他の集落に比べて少ないように感じています。私たちは用事で島外に出ることが多く、移住前、集落行事に参加できないことが気がかりでしたが、ほどよい行事の数なのでとても住みやすく感じています。

移住してから一年くらいは友人に島巡り・史跡巡りに連れて行ってもらいました。対馬の観光地は看板が出ていないこと・分かりづらいことが多く、また道が整備されておらずわかりにくいところもあり、詳しい人に案内をお願いしないと辿り着けないことが多々あります。解説板もあまりないのでどのような歴史があるのかがわからないことも多いですが、私たちは友人にガイドをしてもらいながら回れたのでより対馬の史跡に詳しくなりました。
移住後、対馬の方々へのご挨拶代わりに「対馬ノスタルジー」というCDを作成しました。友人に作曲家がいるので、その人に作ってもらいました。昨年は島内のお祭りで披露し、沢山の人と知り合うことができました。その作曲家家族も対馬を気に入って今度移住してくる予定なんですよ。
ーー今後対馬での生活で計画していることを教えてください
対馬に移住して鹿被害を目の当たりにしました。島の自然環境を30年前の環境に戻さなくてはいけないことをお聞きして、未経験ですが鹿の駆除がしたいと思い「鳥獣対策コーディネーター」の資格を取りました。
資格取得の講習では実際に山に入って鹿の駆除を体験しましたがとても大変な仕事だと感じました。現在、環境省と対馬市と個人の3本柱で駆除していて徐々に鹿が減ってきていることもわかりました。
駆除をした後の有効活用として鹿肉を福岡に卸すことを考えていましたが、勉強してみると鹿肉を販売するためには死んでからすぐに捌かなければいけないことやそれをするためには莫大な金額がかかり赤字になってしまうなどの実情を知り、私のような素人がプロの中に入っても足手まといになってしまうのではないかと感じ、今は自分にできることをもう一度考えてみようと思っているところです。
これから移住される方へ
ーー これから移住を考えてられる方々に何かメッセージをいただけないでしょうか

荷物は最小限持ってきたらいいと思います。
あとは地域のイベントは積極的な参加をお勧めします。知り合いが増えるとイベントや地域活動へのお誘いをいただけるようになります。老人会や婦人会、地域のお助け隊など様々な団体が活動していますので、それに参加することで知り合いの輪が広がっていきます。
是非知り合いを増やして楽しい対馬移住生活を過ごしてください。
(聞き手 元杭睦)
更新日:2021年04月01日