Vol.13 大石裕二郎さん
祖父母が住む対馬へ
ーー対馬へ移住されるまでのことをお聞かせください
高校卒業まで長崎県本土で暮らしていて大学進学を機に静岡に出ました。
大学卒業後、そのまま静岡で就職し16年間静岡に暮らしていました。

お隣の島・壱岐の「あまごごろ壱場」
ーーなぜ対馬に移住しようと思われたのですか?
祖父母が対馬市上県町佐護地区に住んでいて、小さい頃から親に連れられて度々対馬に里帰りしていました。
静岡で出会った色んな人に触発されて自分もふるさとの為に何かをしたいと思うようになりました。父が佐護にUターンし、お茶と柚子の農園を始め、それを手伝うために私も佐護に移住しました。
営業マンだったノウハウを活かして島内はもちろん島外へもPRしています。今では、青森から沖縄まで、全国いろんな店舗で商品を扱っていただいています。また、紅茶は国産紅茶グランプリで入賞するなど、常に品質向上に努めています。みなさんも是非ご賞味ください。

「離島キッチン」のメニューにも
ーー対馬に住んでみてどうですか?
サラリーマン時代とは違う価値観を得て毎日が充実しています。
以前、育てた唐辛子を近所の方におすそ分けしたら、なんと高級魚のクエをお返しに頂きました。対馬の海は様々な魚の通り道となっていて釣りをしていると高級魚が釣れることが多くあります。おすそ分けや物々交換の文化も根付いていますが、さすがに高級魚をいただけたことにはびっくりしました。
対馬に来てよかった点は厳原や比田勝にはコンビニエンスストアがありますが、私が住んでいる佐護にはないことです。気軽にお買い物をすることが無くなり余分なものを買わなくなりました。

地元高校のふるさと学習にも協力
対馬にいて困る点は交通の不便さですね。特に、遠方に用事があるときは飛行機を使いますが、悪天候等で遅延・欠航することが度々あります。先日、東京-対馬間の移動で福岡空港の乗り継ぎに2時間余裕をみていたのですが、飛行機が遅れて時間ギリギリになってものすごく冷や冷やしました。

”ウーファー”の2人と記念撮影
ーー今後の展望を教えてください
今後は海外を視野に入れて展開していきたいと考えています。
「WWOOF」という世界的な仕組みにホスト農家として登録し、今は農業を手伝いたい旅人に寝食を提供しています。これまで16名を受け入れ、中にはフランスやイギリスなど、外国から来られる方もいていい刺激をもらっています。
面積の90%が山地という対馬の中で、佐護は平野が広がっていて田園地帯となっています。これを活かして観光事業も行えたらと思っていて、農家民泊やレンタサイクルも始めたので佐護の田園を自転車に乗って楽しんでいただきたいと思っています。
ーー これから移住を考えてられる方々に何かメッセージをいただけないでしょうか

つしま大石農園の茶園つしま大石農園の茶園
対馬は自然豊かな島です。その分、都会には当たり前にあるものがなかったり、消防団など地域とのつながりが濃かったりします。便利なものは多く求めず、地域とのつながりを地道に作っていくと楽しい島暮らしができると思います。
(聞き手 元杭睦)
更新日:2021年12月08日