対馬の魅力 ~ふるさと、なりわい~

更新日:2021年04月01日

美しい自然が残る環境王国、対馬

白嶽と浅茅湾

ツシマヤマネコ(写真:川口誠)

対馬は89パーセントが山林で占められており、雄大で美しい自然に覆われています。厳原町の龍良山や美津島町の白嶽には、原始林が残っており、国の天然記念物に指定されています。中央部の浅茅湾は複雑に入り組んだリアス式海岸であり、美しい景観を楽しむマリンレジャーや真珠・マグロ等の養殖業を支えています。

ツシマヤマネコをはじめ、ツシマテン、チョウセンイタチ、ツシマサンショウウオ等、対馬の生き物には、かつて大陸と陸続きであった「島」ならではの環境条件が色濃く反映されています。

対馬は、野鳥の繁殖地であるロシア・中国等と、東南アジア等の越冬地の中間に位置するため、春と秋の渡りの時期には、アカハラダカやヤマショウビン等の数多くの珍しい野鳥を観察することができます。

植物に目を向けると、島内には原始の照葉樹林が数多く残っています。また、ヒトツバタゴやゲンカイツツジ、オウゴンオニユリ等、四季折々の美しい植物が花を咲かせ、人々を魅了します。また、大陸に近いという地理的条件から、日本では対馬にしか生息しない植物が多いのも特徴です。ウスギワニグチソウやツシマギボウシ、ハクウンキスゲ等、春から秋にかけて咲く貴重な花々も見られます。

このような、優れた自然環境を有する地域として、対馬は客観的事実を確認し基準点を満たした環境王国(※)に認定されています。

森・里・海の資源の豊かな島、対馬

スルメイカの乾燥風景

観光情報館 ふれあい処つしま

どんこしいたけ

ブリやタチウオ等の刺身盛り合わせ

対馬市の産業は周囲に広がる豊富な漁場と高大な山々によって支えられ、発展してきました。国内でも有数の水揚げ高を誇る水産業、豊富な森林資源を活用した製材やしいたけの生産を中心とする林業、そして地の利を生かした観光業が主要な産業です。

島を囲む漁場は対馬暖流と沿岸水の混合によって変化に富み、沿岸一帯は磯場が広がる好漁場として、アワビやサザエ、ウニ等の磯ものや、ブリ、アジ、サバ、イカ、タイ、アナゴ等の水揚げがあります。アナゴは、日本一の水揚げ量を誇ります。浅茅湾を中心に、マグロや真珠、ヒオウギガイ等が養殖されています。

対馬のひのき材(対州桧)は材質が硬く、心材は淡いピンク色をして、香りが高いのが特徴です。また、しいたけは、長崎県内生産量の 99%を対馬が占めています。乾しいたけは、肉厚の「どんこ」が特に良質で、全国しいたけ品評会においても高い評価を受けています。

対馬の農地は陸地の1.3パーセントですが、米づくりに加え“対州そば”の栽培も盛んです。近年では、ヤマネコと共生する農業を目指して減農薬や有機農法による米づくりが上県町佐護地区等で行われ、佐護ツシマヤマネコ米としてブランド化されています。