対馬市の域学連携

更新日:2024年04月11日

最新情報

域学連携の経緯・事業趣旨

SDGs未来都市・対馬市では、「域学連携」(地域と大学との連携による地域づくり)をSDGs推進の重要な施策の1 つとしてしまづくりを推進しています。

域学連携に関する政策分野別基本計画「対馬市域学連携地域づくり推進計画」(日本計画行政学会第17 回計画賞最優秀賞受賞)を平成26 年度に策定しました。この計画に基づき、対馬全体を国内外複数の大学のサテライトキャンパス「対馬学舎」に見立て、連携大学との共同研究プロジェクト、学術研究の奨励や活動サポート、次世代を担う人財育成、対馬学フォーラムの開催による成果の地域還元に取り組んできました。この間に築いた多分野の大学研究者や在学生・卒業生とのつながりはSDGsを総合的に推進する際の財産となっています。

対馬市では域学連携の経緯や実証フィールドとしての強みを踏まえ、「対馬市SDGsアクションプラン」においては様々なアクションを後押しする重要施策として域学連携を位置づけました。今後、「学術研究アイランド」として、対馬と国内外に貢献しうる研究課題を発信するとともに、「対馬モデル」構築のための社会実装プロジェクトへの参画をオープンにし、研究、教育、行政機関、企業、市民、地域団体等参画する主体の知見・情報・ソリューション等を掛け合わせることで社会課題解決のイノベーションを巻き起こします。その社会実装のプロセスを通じ、世界に先駆けたESDとして、多様な人々との交流と学び合いを推進し、グローカルな視野と行動力を持った人財を育みます。

域学連携のプログラム

プログラムとして大きく以下の4 つを設け、域学連携に取り組んでいます。

  1. 総合的に地域おこしを実践形式で学ぶ「島おこし実践塾」の開催(現、対馬グローカル大学大学生ゼミ)
  2. 分野ごとの学生実習「現場学」(中長期インターン)の受入れ
  3. 対馬に関する「学術研究奨励補助」(現、SDGs研究奨励補助)
  4. 対馬をフィールドとした大学の合宿・研究等のサポート
  5. 活動成果・今後の計画等を共有する「対馬学フォーラム」

1. 島おこし実践塾

平成24年度から毎年夏に開催している短期実践合宿です。主に島外の大学生や地元高校生等約30 名が参加し、令和元年度までに約300名の塾生を輩出してきました。

講義と実践、グループワーク、塾長(市長)へのプレゼンテーションを組み合わせたプログラムで構成されています。現場の第一線で活躍する講師の奮闘ぶりや住民のやさしさ・温かさに触れた塾生たちの満足度は高く、その後、実習や研究で再来島したり、対馬市島おこし協働隊や集落支援員として移住すた方もいます。

令和2年度、令和3年度は新型コロナウイルスの影響で開催中止となりました。令和4年度は対馬グローカル大学「大学生ゼミ」として活動を継承しています。

2. 学生実習

主にインターンシップに関する連携協定を締結する大学から学生実習を受け入れています。

受け入れの際は地域課題、地域ニーズや学生のニーズ、そして受入側のキャパシティ等を踏まえながらプログラムを設計しています。プログラムには、対馬でしか体験できないような際立った学びの要素を取り入れつつ、学生の専門性や関心を踏まえ、大学で学んできたことの応用・実践のために価値創造的なミッションを設けています。

また、学生の幅広い職業観や地域観を養うために、産業体験や地域交流、地域行事のお手伝い等、地域生活の支援や体験活動も組み合わせています。滞在期間も、学生・地域双方の成果や満足度を高めるため、2週間~1 か月程度としています。

3. 学術研究の奨励

対馬への訪問は、他地域に比べて交通費が高くなり、滞在が長期化すればするほど宿泊費等経済的な負担が大きくなります。そのため、旅費や宿泊費含め学生の経済的負担を軽減し、研究の奨励を図るため、平成26年度に「対馬市学術研究等奨励補助制度」を設けました。

平成26年度から令和元年度までに154名の学生・大学院生・専門学校生に対し補助を行ってきました。この研究補助をきっかけに何度も対馬に通う学生もおり、この補助は研究を奨励するだけでなく、対馬ファン・リピーターの形成にも貢献してきました。中には、補助の後も研究のために何度も来島し、研究以外にも幅広く対馬のことに関心を持ち、学生実習に参加したり、所属する研究室や他大学の研究室との合同合宿を誘致するなど、多角的な関わりを持つ学生もいました。

令和3年度からは対馬市民も補助対象にし、対馬市のSDGs達成に資する研究を奨励する補助制度として、新たに「対馬市SDGs研究奨励補助金」を設けました。

4. 対馬をフィールドとした大学の合宿・研究等のサポート

域学連携活動・滞在拠点施設

対馬市では、対馬の付加価値を高める研究や、対馬の地域振興に資する活動を行う学生等に対し、活動・滞在拠点施設を提供しています。利用申請等、詳細は「域学連携活動・滞在拠点施設」のページをご覧ください。

準島民割引制度

連携協定を締結する大学に所属する学生・教員に対し、島民同等の交通費割引率を適用する「準島民割引カード」を発行します。詳しくは準島民割引制度のページをご覧ください。

5. 対馬学フォーラム

域学連携の活動成果を対馬に還元し、地域活性化や、市民の誇り意識の醸成のため、年に一度「対馬学フォーラム」を開催しています。このフォーラムは、先進地域事例調査(飯田市の学輪IIDA 及び屋久島町の屋久島学ソサイエティ)を踏まえて企画したもので、平成27年度から毎年度続けているイベントです。

対馬学フォーラムでは双方向での交流を重視し、ポスター発表形式を採っています。島外の研究者や大学生だけでなく、地元の小中高生、地域団体関係者も参加するポスター発表大会に発展しています毎年、フォーラムを楽しみにしている研究者、市民は数多く、フォーラムで
発表することを目標に、研究やふるさと学習に取り組む児童生徒、大学生が見られるほどです。

過去の開催プログラム・ポスター発表

※研究成果論文は対馬学フォーラムの要旨集(2016~2019年)に掲載しています。

大学との連携協定に基づく取り組み

複数の大学と連携協定を締結し、ESD による地方創生(立教大学ESD 研究所)、伝統発酵食「せんだんご」の速醸実証(東京農業大学)、自動運転の社会実装(明治大学自動運転社会総合研究所)等、分野ごとの共同研究に取り組んでいます。

この記事に関するお問い合わせ先

SDGs推進課

〒817-8510
対馬市厳原町国分1441番地
電話番号:0920-53-6111
ファックス番号:0920-53-6112

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